大規模キーウィフルーツ園地が誕生!!
津市高野尾町の(株)浅井農園 新しい農業を実現
6?に3000本植樹
耕作放棄地を中心に農地集約化

 ミニトマトなど農産物の大規模生産を手がける津市高野町の株式会社浅井農園(浅井雄一郎代表取締役社長)は、自社農園に隣接する耕作放棄地を含めた10ヘクタールの農地で、4月20日(土)キーウイフルーツ苗の植樹祭を行った。植樹祭には前葉泰幸津市長、中野敦子三重県農林水産部長、地元高野尾町の農地所有者らが出席して開園を祝った。農園はキーウィ用防風ネットが張り巡らされ、スプリンクラーを用いた養液栽培。度会郡玉城町で開園した7ヘクタールに次ぐ、二番目の大規模キーウィフルーツ園地。世界の先進農業から大きく立ち後れ、耕作放棄地が目立つ日本農業の再生の取り組みに注目したい。
 キーウィフルーツ植樹祭で浅井洋平代表取締役副社長は「地元の地権者のご理解と、行政の支援のお陰で日本最大級のキーウィ農園を開園することができました。新しい農業の形、キラキラしたキーウィ農園づくりをめざします。」とあいさつした。
 ゼスプリフレッシュプロデュースジャパンのトム・マクモランさんは「浅井農園はイノベーションを持った会社。周年を通してキーウィを手にとってもらえることを喜びたい」と話した。
 前葉津市長は「津市では今年度、耕作放棄地を解消する支援事業を中心に7つの独自事業業を立ち上げた。津市としても支援していきたい」、中野敦子三重県農林水産部長は「玉城町に続き、キーウィフルーツの大規模農園をお祝いします。3年後の秋の収穫が楽しみです。」と祝辞を述べた。
 植樹祭には地元農地所有者をはじめ三重県改良事業団体連合会、中勢用水、三重県農林水産支援センター、日本政策金融公庫三重支店、農園を整備をした三重農林建設ら関係者約30人が出席してキーウィ植樹を祝った。
 提携するゼスプリは南半球のニュージーランドでキーウィ販売する世界最大手。日本国内では柑橘類の代替果樹として、愛媛県、九州の福岡県、熊本県、宮崎県、山口県でも提携農園がある。
◎耕作放棄地の多い農地を集約化
 農園は浅井農園本社に隣接し、集落と志登茂川に挟まれた耕作放棄地の目立つ農地。38人の農地所有者が農地の集約に協力した。10ヘクタールの内キーウィの栽培地は6ヘクタール。
 同社は度会郡玉城町で令和元年(2019)耕作放棄地が60%もあった農地に7ヘクタールのキーウィフルーツ園地を開園。ニュージーランドのキウイ販売大手ゼスプリ社と手を組み、年間約100トンのサンゴールドキウイを生産。海外の高度な生産技術を取り入れながら、日本特有の気候条件に合わせた自社独自のキウイフルーツ生産技術を構築している。
◎3000本のキーウィ植樹
 6ヘクタールの園地には強風による果実落下などを防止する白い防風ネットが張り巡らされ、3000本のキーウイ苗が植樹されている。苗の上には水管のが設置され、スプリンクラーで水分、液肥などが供給される。潅水設備はウェザーステーションでシステム管理し、土壌の分析により、水、益日の供給をコントロールする仕組み。
 1本の樹から約400個~500個の収穫を見込んでおり、3年後の令和8年(2026)初収穫時には1ヘクタール当たり15トン、収穫4年目の同12年(2030)には1ヘクタール50トンの収穫を目指している。
 園地は現在の13ヘクタールから、30ヘクタールまで拡大したいとしている。
◎県内スーパーで販売
 生産したキーウィフルーツは全てゼスプリ社が買い取り、日本国内産は国内消費される見通し。一般のスーパーマーケットで販売されている。
 浅井農園は明治40年(1907)創業。従業員100人。グループ全体で500人。年商15億円。当初はサツキ植木生産が中心だったが、ミニトマトの大規模栽培を開始して以降、最近15年間で急成長している。高野尾農場のほかに、椋本農場、玉城農場、沖縄県宮古農場。グループ企業に、うれし野アグリ株式会社(松阪市)、株式会社アグリッド(いなべ市)、株式会社PhytoX(津市)、株式会社ハッチ(津市)がある。
 (株)浅井農園=津市高野尾町4951。電話059(230)1212、FAX059(230)1214、メールinfo@asainursery.com