津市白山町中ノ村のイケダグリーンの水田40アール(4反=1エーカー)
育苗と田植えをスキップ
水稲栽培を省力化・コストダウン

 津市白山町中ノ村の水田で5月7日(火)水稲のドローンよる直まきが行われた。白山町二本木の(有)イケダグリーン(池田朋史社長)の管理する水田40アール。三重県津地域農業改良普及センターと共同で取り組む試験栽培。品種は「コシヒカリ」に近い食味の「ほしじるし」。育苗、田植えなどの作業を省略し、コストダウンを図る狙い。
 40アールは1エーカー。1エーカーは約1224坪(4046・86㎡)。アメリカ合衆国ではセスナ機で直まきをしており、採れ高は1エーカー当たり1200㎏~1300㎏収穫するという。オーストラリアは更に規模が大きい。
 代掻きしたあとの水田に水を張り播種(はしゅ)する「水稲湛水直播栽培」。予め種籾を鉄コーティングして播種する。農業用ドローンは小回りがきくので、中山間地域の多様な形の水田でも用意し作付けが可能となる。農林水産省によると令和2年度のドローによる肥料や農薬などの散布面積は全国で11万9500ヘクタールに広がっている。
 「ほしじるし」は農研機構(国立研究開発法人 農業・食品産業技術総合研究機構)によると、「多収で直播栽培に適することから、低コストで栽培される業務用」の品種で、近年、低コスト志向の外食チェーン向けに需要が増えている。丈が短いので倒伏しにくく、直播栽培向き。5月中旬に播種して9月中旬に収穫す”中生の晩”の熟期。麦作後を想定した晩植栽培の「月の光」より15%~25%収穫量が多い。
 三重県農林水産事務所・津地域農業改良普及センターの田岡政宗技師は「作付面積が年々増えているので、育苗、田植えが大変だ。省力化技術はないのかとイケダグリーンの池田七郎さんに相談されて、直播き技術と、作業体系を説明させていただいた。農業用ドローンをお持ちだったので、ドローンで直播きした。品種や鉄コーティングはJAさんの紹介。モミを重くして泥の中に沈ませ、直播きした後のカラス、スズメ,カモなど鳥害対策でもある。今回は施肥を代掻き前に行い、除草も手探り。池田さんとも共同で研究していきたい」と話している。
 イケダグリーンは現在、白山町内約60町歩で水稲栽培をしている。水稲収穫は反収9~10俵(500~600㎏)。
 同社農業部門の池田七郎マネージャー(86)は、「今回は6~7俵(360~420㎏)穫れれば上出来。中山間地域は不耕起田が増え、せっかく先人が築いた水路や農地が荒れている。人口減少が進む中で日本農業が世界との競争に勝つには省力化と、規模拡大しかない。今年の実験がうまくいけば、来年は作付けを10町歩ほどに増やしたい」と話している。
 地球温暖化対策について「高温に強く多収でもっちりとした良食味の宮崎県産「にこまる」を2町歩植え付けた。田植えが早まる傾向にあるが、高温障害を避けるには、登熟期をずらすために、逆に作付時期を遅らせることが必要ではないか。」と伊勢湾台風以来、台風襲来シーズン前に収穫する三重県の水稲栽培について疑問を投げかけている。
 問合せはイケダグリーン=津市白山町二本木、電話059(262)3453