『夢を語り、挑む都市づくり』をテーマに
前葉泰幸市長が「3つの新戦略」

 前葉泰幸市長は施政方針で、「コロナ禍による新しい社会や生活様式に対応するニュースタンダードが確立しつつあり、『夢を語り、挑む都市づくり』を新年度市政のテーマに掲げる。「対コロナ戦略」「インフラ整備推進戦略」「未来の都市づくり戦略」の3つの新戦略を打ち立てた。
 具体的には、「対コロナ戦略」として市民が必要とする支援にタイムリーに対応する、状況に応じて支援を積み重ねる、新型コロナありきの社会の環境整備に対応するの施策を積極的に展開する。
 「インフラ整備推進戦略」は津興橋、大谷踏切工事、香良洲高台公園などの整備推進。浸水対策事業、中勢グリーンパークの整備。都市の未来図として、大門・丸之内地区の未来ビジョンの策定、津駅周辺整備、河芸町島崎町線整備、中勢バイパス全線4車線化、雲出川の流域治水。
 「未来の都市づくり戦略」は中央リニア駅へのアクセスとまちづくりの調査。自治体DX(デジタル・トランスインフォメーション)の確立。カーボンニュートラルの実現。それらを実行する組織を作り上げるために、12月に制定した「津市公平公正条例」を示し、「透明性と自浄能力を維持する組織」とする。市民に信頼される組織にするため改革を進めると決意を語った。
◎“前葉カラー”に染まった「夢」
 特定の自治会問題で揺れに揺れた昨年の津市政。ついに自治会会長の逮捕事件に発展し、155人もの大量の市職員処分者を出した。補助金支出問題では未だ民事裁判を続けており、決着の見通しはつかない。
 前葉市長の今回の施政方針は1年後の津市長選4選に向けての「決意表明」とも受け取れる。平成18年(2006)の10市町大合併から15年。松田直久市長からバトンを受けて、10市町合併21事業をようやくやり遂げた10年。「行政はサービス業だ」として、ひたすら市民に迎合してきた政治を見直す時期に来ているのではないか。
 “前葉カラー”に染まった津市政の「夢」の実現に注目したい。