治すだけでなく、患者や家族のケアもできる医師に

 三重大学医学部の3年。昨年末開催された三重大学邦楽部の定期演奏会で、見事な箏の演奏を披露し多くの観客を魅了した。「私は緊張するタイプで、いつも緊張から怖い顔をして演奏してしまうのですが、今回は最後ということもあってか笑顔で演奏できました。すごく楽しかったです」。晴れたかに楽しげに笑う。
 観客のアンケートでも「笑顔だったからなお演奏会を楽しめた」という感想をもらったという。部活は3年生で引退になる。「今はまだ実感はないのですが、これからじわじわ寂しくなるんでしょうね」
 中学・高校で箏曲部に入った。大学の部活の案内を見てまた弾けると入部した。基本的に練習は週に3回。多い時は5回だったり、合宿もあった。大変だなと思うこともあったけど、楽しかった。
 医師になろうと思ったのは中学生の時。そこから勉強漬けの毎日だった。「逃げたいときもありましたが、目標があったから頑張れました」という。
 医学部の授業は今年から専門的な内容が増えた。「将来は小児科か産婦人科の医師になりたい。どちらにしても責任は重い。だからこそたくさん学び、知識をつけないと」。自らを奮い立たせる。
 「治療するだけではなく、患者さんやご家族の心のケアもしていける、思いやりのある医師になりたいです」。あふれる笑顔にほのぼのとした優しさが広がった。