りんご病が過去最大の流行
顔が赤くなる 伝染性紅斑
子ども・妊産婦が要注意!!
1週間の患者数が1医療機関最多3・36人
両頰がリンゴのように赤くなる伝染性紅斑、いわゆるリンゴ病の感染が拡大している。国立健康危機管理研究機構によると、5月18日までの1週間に、全国およそ2000の小児科定点から報告された伝染性紅斑の患者の数は、2医療機関当たり2・05人と前の週から0・91人増え、現在の方法で統計を取り始めた平成11年(1999)以降で最も多くなっている。三重県でも1医療機関あたりの患者が過去最多となり、県は「流行が続く可能性が高い」として、注意を呼びかけている。
▼患者が過去最多
染性紅斑は「パルボウイルスB19」による感染症で、両頬に赤い発しん(紅斑)が出ることから「リンゴ病」とも呼ばれ、子どもを中心に4~5年の周期で流行している。全国的な流行は 令和元年(2019)から2年(2020)の夏季の以来。
三重県でも4月以降、患者数が急拡大し、5月12日~18日の定点当たり患者数は2・73人と、1医療機関あたりの患者が初めて警報の目安となる「2」を超えた。 さらに今週は(5月19日~5月25日)は3・36人と急増。患者は過去最多となっている
▼主な症状
約10~20日の潜伏期間の後、微熱やかぜの症状などがみられ、その後、両頬に蝶の羽のような境界鮮明な赤い発しん(紅斑)が現れる。その後、体や手・足に網目状やレース状の発しんが広がる。(これらの発しんは1週間程度で消失する)。
中には長引いたり、一度消えた発しんが短期間のうちに再び出現したりすることがあったり、成人では関節痛を伴う関節炎や頭痛などの症状が出ることもあるが、ほとんどは合併症を起こすことなく自然に回復する。
多くの場合、頬に発しんが出現する7~10日くらい前に、微熱やかぜのような症状がみられ、この時期にウイルスの排出が最も多くなるが、発しんが現れたときにはウイルスの排出はほとんどなく、感染力もほぼ消失している。
▼妊娠中の人は特に注意が必要
基本的に症状は軽いものの、これまでに伝染性紅斑に感染したことのない妊娠中の女性が感染すると、胎児にも感染し胎児水腫など胎児に異常が出たり、流産のリスクとなる可能性があるため、子どもと接する機会の多い人や妊婦は特に注意が必要。厚生労働省は妊婦に対しかぜ症状がある人との接触をできる限り避け、手洗いやマスクの着用などの基本的な感染対策を行うことなどを呼びかけている。
▼予防と対策
伝染性紅斑はアルコール消毒が効きにくく、予防するワクチンや薬はない。
染性紅斑は感染した人の咳のしぶき(飛まつ)を吸い込むことによる感染(飛まつ感染)や、感染者と接触したりすることによる感染(接触感染)が知られている。紅斑が出ている時期にはほとんど感染力がないため、かぜ症状のある人はこまめな手洗いやマスク、せきやくしゃみをする時には口と鼻をハンカチ等でおおうなどの「咳エチケット」を心がけることが大切。