Shipサロンが100回記念講演

白駒妃登美さん
毎月1回開催「健康で長生きを」

 津市広明町の健康で長生きする環境を整えるサービスを仲介、斡旋する(株)Ship(井ノ口輔胖代表取締役社長)は10日、津市広明町のホテルグリーンパーク津6階伊勢の間で、歴史エッセイストで(株)ことほぎ代表取締役の白駒妃登美さんを講師に迎え、第100回記念講演を開催した。
 白駒さんは苦しい時、歴史の偉人の言葉や生き方を「中学の時、友達関係に悩んでいました。その時“世の人は我を何とも言えばいえ。我がなすことは我のみぞ知る”という坂本龍馬の歌を励みにしていた」と話した。
 大病から復帰した後、中学等で道徳の授業をしているとし「戦後70年、どの家庭もどの学校も命が一番大事と教えてきましたが、今日本では皮肉にも交通事故で亡くなる人よりも、自ら命を断つ人の方が多いんです。命を大切にしたければ、その大切な命に変えてでも守りたいものを持つべきだと伝えています」と訴えた。
 初めて本を出版する話が来た時に、癌の転移が見つかったとし、「私は絶対絶命のピンチに立たされていて、大きな葛藤を抱えましたが、正岡子規の生きざまを思い出し、人生にあってくる逆境は、未来にその人が使命を果たすために天が一番ふさわしい状況を与えているんだ、逆境こそ天の恩寵なんだ、ということに気づかされたんです」と前を向いたきっかけを語った。
 歴史を学ぶことについて、「希望が生まれ、感謝の心や優しさが育まれていくんです。それが私は歴史を学ぶことの最大の意義かなと感じています」と話した。
 参加者は「内容はもちろん、話し方が非常に上手で、あっと言う間に時間が過ぎました」と話した。
  「shipサロン」開催のきっかけは、三重に移住してきた人が「三重は文化性が無い」と井ノ社長に語ったことからだった。博物館も美術館もあるのになぜそう思われたのか、疑問に思った井ノ口社長が更に聞くと「空いた時間に気軽に寄席や観劇を見に行けるような文化が無いという事だったんです。健康で長生きできる環境を整え、毎日を楽しみにながら生き甲斐を見つけて暮らしてもらいたい」そういう思いで、平成27年(2015)10月6日、「第1回shipサロン」を開催した。
 最初は緊張した面持ちで座っていても、会が終わるころには皆うちとけ、話が弾む。「その日の講演という共通のテーマから話を始められることもあってか、お話は弾みます。毎回、終了予定時刻には終われないですよ」と井ノ口社長。 サロンを始めて8年半。コロナ禍で開催中止を余儀なくされた時期以外は休むことなく開催してきた同サロン、常に妻節子さんが裏方として支え、夫婦二人三脚で開催してきた。「私は企画、実務は全て妻でした。いなかったらできませんでした。感謝しかありまん」と笑う。「毎回、参加された方が“楽しかった”“とても良かった”という笑顔に支えられ、その笑顔が見たくてやってきたら100回になっていました。これからも参加いただいた方がご満足いただける内容を考え、ご提供していきたいと思っています。健康で長生きするために、月に一度、ちょっとおしゃれをして特別な時間を過ごしませんか?普段あまり接することのない音楽や講演、演劇などに触れて、美味しいホテルのランチを一緒に頂きましょう」と参加を呼び掛ける。
同サロンは毎月1回開催。同サロンでは「月に一度特別な時間を過ごしませんか?普段あまり接することのない音楽や講演、演劇などに触れて、美味しいランチを一緒に頂きましょう」と参加を呼び掛けている。サロン参加には会員への入会が必要。サロン年会費は4万8千円(昼食代込)。入会は随時受付中。問い合わせは(株)Ship=電話059(273)6428。
 次回第101回Shipサロンは5月15日(水)11時から、津市在住の5人のサクソフォン奏者のグループ「サックスコラージュ」がジャズアレンジや映画音楽など、サックス演奏を披露する。