「依存症」について一緒に考えてみませんか!?
依存症治療拠点機関 国立病院機構榊原病院
6月14日(月)「依存症ウェブセミナー」

 アルコール、薬物、ギャンブルなどの依存症で、自分自身や家族が心配な人、ちょっとはまり過ぎかなといった人は全国で100万人以上といわれている。三重県の依存症治療拠点病院でもある津市榊原町の国立病院機構「榊原病院」(村田昌彦院長)が6月14日(月)、三重ダルクと提携して「依存症ウェブセミナー」を開催する。時間は午後1時~5時までで、治療に当たる専門家がテーマごとに講義を行う。パソコンやスマホからでも参加できる。参加無料、事前予約不要。
 榊原病院は全国トップクラスの「医療観察法」による治療で知られる。同法制度に基づく「医療観察法病棟」を備え、一人の患者に対して医師、看護師、心理療法士、作業療法士、精神保健福祉士がチームで治療にあたり、社会復帰する成果を上げている。国内最高の医療レベルにある。
 セミナーでは依存症が引き起こす問題の影響、家族の働きかけ、本人の回復など、講義と参加者のディスカッションがある。
 プログラムは第1限目が「アルコール、薬物、ギャンブル~使用から『依存症』への連なり」で、ケースワーカーの壁屋康洋主任診療師・臨床心理士(CP)が担当。第2限目は「アルコールによる健康被害と医療」。上村朋宏看護師が分かりやすく解説する。第3限目では「家族も辛い依存症」と題して、千種潤子主任臨床心理士(CP)が話す。第4限目は「『依存症』からの回復」について、三重ダルクの市川岳仁施設長が自身の体験を話す。
 最後に、壁屋CPが司会により、「医療観察法」の専門家でもある村田昌彦院長と、市川岳仁三重ダルク施設長が「ダルクと医療の対話」について対談する。最後に参加者の発言も紹介する。
 村田院長は「多くの人が依存症で困っていますが、自分では認めたくない、周りの人が困っている。少し自覚症状のある人やその家族らが気軽に相談できるように、コロナ禍でもあり、ウェブでセミナーを開くことになりました。依存症は、その手前のピラミッドのすそ野が大きい病気です。」と話し、多数の参加を呼びかけている。
 参加方法は無料ソフトで、ビデオ会議とオンラインミーティングができる「ciscoWebexでのオンライン配信」。ダウンロードは直ぐにできる。ミーティング番号は「184 879 4617」、パスワードは「jtRHdNAY978」。
 
 また、同病院のある津市榊原地区は、温泉保養館「湯の瀬」のリニューアルを契機に、伝統を誇る温泉と地域、同地区の医療施設、リハビリ施設と提携して地域を活性化する「農泊推進事業」が動き出している。
 ※医療観察法=平成17年(2005)に施行された「心神喪失などの状態で重大な他害行為を行った者の医療および観察等に関する法律。心神喪失または心神耗弱の状態(精神障害のために善悪の区別がつかないなど、刑事責任を問えない状態)で、重大な他害行為(殺人、傷害など)を行った人に対して、適切な医療を提供し、社会復帰を促進することが目的。
 ※三重ダルクは三重ダルク=アルコール・薬物・ギャンブル・ゲーム・盗癖などの依存症問題を抱える人たちのためのサポート・コミュニティ。
 問い合わせは同病院=電話059(252)0211。