共産、公明党ら13議員が反対!!
 津市議会は18日(火)開かれた令和3年第1回臨時会で、不当要求などに対する市長直轄の組織「内部統制室」の設置を決めた市行政組織改正案を賛成多数で可決した。
 この案件は第1回定例会で上程されたが、3月22日(月)の本会議で継続審査になっていた。4月23日(金)の総務財政委員会(小野欽市委員長)で賛成多数で可決された。
 本会議で採決前に賛否の討論があった。
◎捜査終わらず時期尚早
 竹下幸智子議員(日本共産党津市議団)は「市長の証人喚問もまだで、自治会長問題の全容解明もできていないのに時期尚早。現在の不当要求行為等防止制度、公益通報制度が機能しなかったのに、内部統制室が有効なのか疑問だ。市長が繰り返さない覚悟と自浄作用をきちんとすることだ。職員が自覚を持つことが大事」と反対。青山昇武議員(公明党議員団)は「今の津市に必要だが、中身が整っていない。今大事なのは窓口対応で、現場に駆けつけてしっかり対応することだ。本庁舎以外の総合支所での対応ももっと議論すべきだ。的確な対応のできる体制になっていない。捜査も終了していないので時期尚早だ」と反対した。
◎一刻も早く正すべき
 岡村武議員(至誠会)は「自治会問題は弁護士の調査に“実態の無い恐怖”だとあったが、実態はある。行政の指導に対して、いきなり恫喝(どうかつ)したり、丸刈りを強要したり、土下座しろとか、謝って済むことだ。丸刈りにしろとか、土下座しろとかは一種の暴力行為だ。一つ一つの積み重ねが大きな利権となった。暴力行為の根は狙っている。4月2日(金)にも大きな声で恫喝(どうかつ)した人がいる。こうした人は日常的に、あら探しや、挑発してミスを起こさせる。こうした行為にまともの立ち向かわないと、公務員の体質として、ややこしいことに関わりたくない。我々の心の弱さがこうしたことを生んでいる。反省するのは私も含めて議員にも大いにありだ。土下座、丸坊主を誰かの口で伝えているときに、立ち会った議員がたくさんいる。それら議員に罪は無いのか。行政ばかりせめてどうするのか。法律を勇気を持って使ってくれる人たちをお願いしている。本来、行政と司法が一緒になるのは良くないが、この窮地を救うのは誰なのか。私は怖くてようしない。人間は弱いもんだ。問題ごとの経験をしてきた方に尽力願おうということだ。百条委員会の行政不正の話しと、この話は別の話だ。今日にも明日にも職員がいじめられて嫌な思いをしている。一刻も早く直すのは当然だ。特定自治会だけの問題ではない」と賛成討論を行った。
 岡幸男議員(県都クラブ)は「今回は行政の弱みが明るみに出た事例で、継続して調査すべきだ。今行政は、第2、第3の事例が生まれる事態にある。(行政統制室は)行政が強い姿勢で解決しようとした議案だ。行政がせっかく打とうとしている一手を、議会がふさいでしまう。時期尚早という声もあるが、事態は一刻の猶予もない」と賛成した。
 採決では、病気欠席の福田慶一議員(市民クラブ)を除く33人のうち19人が賛成。市民クラブの1人、津和会の3人、共産党4人、公明党3人、自民党市議団1人、一期一会1人は賛成しなかった。
 「内部統制室」は市役所内部から2人、外部から県警OBら2人の人員は4人体制。4月1日(木)付けで人事課に「内部統制室」準備チームが発足している。