「黒田米」の産地として知られる津市河芸町北黒田の北黒田公民館で10日(日)、今年の稲作の豊凶を占い、併せて無病息災を祈願する津市指定無形民俗文化財の行事「世だめし粥占い」が行われた。地域住民ら約80人が参加した。
 約500年前の室町時代から守られてきた伝統行事。同地域の地の平安と安泰を願う真言宗寺院住職の発願により大般若経が写経され、仕上がった後、四天王寺へ納められた。この縁で毎年、同寺から導師を招き、農作物の出来・不出来を仏に伺ってきた。
 粥占いは約10センチの小竹筒に「早生(わせ)・中生(なかて)・晩生(おくて)」の印を付けたもの入れて、前日から粥を炊き込む。
 当日、参加者が見守る中、北黒田公民館の釈迦般若図絵が掛けられた部屋で、住職により五穀豊穣を願う祈願が営まれた。読経中に竹筒を割り、中に入っている飯粒の量でその年の稲作の豊凶を予想する。その結果、「早生(わせ)」の品種に多くの粥粒が入っていて、これが豊作と出た。