第2回「健康フェスティバル」(中外製薬主催)が6月7日(木)、津市羽所町のアスト津ホールで開かれた。成人の8人に1人が慢性腎臓病といわれ、糖尿病や高血圧、メタボリックシンドロームと関係が深いことから、津市内の専門医ら3人が腎臓の働きや、腎臓を守るためにできること、減塩のコツについて講演した。腎臓の働きや、減塩のコツ慢性腎臓病」について講演した。参加者は熱心聞き入り、メモを取る姿もあった。
 三重大学附属病院腎臓内科の石川英二科長と遠山病院の竹内敏明院長が総合司会を務めた。最初に、永井病院腎臓内科の吉川和幸医師が「腎臓の働きを知ろう」と題して話した。
 吉川医師は「腎臓は全身の鏡です。老廃物を体から追い出し、血圧を調節。血液を作り、体液量やイオンバラランスを調整します」と解説し、「病気の初期には自覚症状がない。小便の色が変だ、泡立つ、何度もトイレに行くなどの症状は病状が進んでいる現れ。サッカーにたとえれば体のコールキーパー」と指摘した。
 続いて、武内病院腎臓内科の町田博文人工腎センター長が「腎臓を守るためにできること~血圧が高い? タンパク尿ってなあに?~」と題して講演。「尿タンパクは本来排出されないタンパク質が漏れている状態で、尿検査で分かる。クレアチニンは血液検査で分かり、腎臓の機能が低下すると血清クレアチニンは上昇する。時間経過が重要です」と検査の見方を解説。「腎臓を治す万能薬はない。早めに治療を」と訴えた。
 遠山病院栄養科の飯田恵利管理栄養士は「あなたにもできる食習慣のコツ!~減塩から始めましょう~」を演題に話した。「日本人は世界平均の塩分摂取量より多い。1日の摂取を6㌘以下に。しょうゆを”かける”から”付ける”にするだけでも減る。ラーメンやカップラーメンは汁は残し、漬け物も控えめにして2㌘減塩しましょう」と呼びかけた。
 質問コーナーでは、竹内院長が「汗をかく夏は塩分をほしがりますが、できるだけ塩分を制限して水分を取るように。1日の減塩計画を立てて、塩分摂取量を減らしましょう」とアドバイスした。

遠山病院―http://www.toyama-hp.jp/
永井病院―http://www.nagai-hp.or.jp/
武内病院―http://takeuchi-hosp.jp/