三重県内市議会最年少議員
津市議会議員
中野 裕子さん(26歳)

身近な問題を解決したい!

 1月に行われた津市議会議員選挙で3103票、定数34の7位で当選。26歳の市議会議員が誕生した。「若い女性で凡人である私が議員になれば、政治を身近に感じる人が増えるかもしれないと思った。こんな若い人でもなれるんだ、こんな普通の人でもなれるんだと思ってもらえるはずです」と力を込める。
 北海道知床のホテルで昨年10月末まで働いていた。総選挙で共産党がめざした野党共闘は十分な結果を出せず、この国はもうダメだと絶望していた。派遣期間が切れて、北海道旅行を体験して帰省しようと宗谷、紋別、サロマ湖を巡り札幌、函館をめぐってと思っていた時に知らない人から電話が架かった。「市議会議員選挙に出ませんか!」電話の相手は長谷川幸子議員だった。
 2019年参議院議員選の夏、大阪のたつみコータロー元参議委員議員の「演説会」で貧困のため親子心中に直面した人の話を聞いた。翌年、7月15日共産党創立記念日、25歳の誕生日(8月1日)を前に「こんな国変えなきゃ!」と思って日本共産党に入党した。親にも友人にも、自分が共産党に入党したことはまだ話していなかった。決断の時が迫っていた…。「う~ん、やってみてもいいな。やらずに後悔するより、やって後悔する方が絶対いい!」少しずつ自分の気持ちが前向きに変わっていった。
 「市議会で私に何ができるのだろう」と考えた。「国は変えられなくても、私が昔苦しめられた理不尽な校則問題を解決できるかもしれない」と思った。「『生理の貧困』の改善を」「タクシー券の導入を」「子ども、障がい者の医療費窓口払いを無くす」。この3つの政策の実現と校則問題の解決を目指すことにした。「全ての人の人権が守られ、安心して生活できる社会をみなさんとつくりたい」と張り切る。
 投票率は43・23%と過去最低を記録した。「地方議会は国政より身近であるにも関わらず注目が集まりにくい。現場を見て歩いて、当事者から直接話を聞いて議会に届ける、ということを重視して活動したい」さらに続けた。「選挙が終わったら無関心になるのではなく、自分が投票した議員のその後の動向を注視していただけたらと思います。私は積極的に発信していきます」。少し微笑んで空を見上げた。